33日目:灰色の沖縄(沖縄県・名護市)
 今日は朝からずっと雨が降り続いていた。強風をともなった横殴りの雨が降り続いている。与論の美しい海もこの天気では台無しである。リキシャも今日は待機するしかない。
 午前中は部屋でパソコンに向かう。このところずっと走り続けてきたので、旅行記が追いついていなかったのだ。少ないときで2000字、多い日には5000字以上も書くというのはかなり疲れる作業だ。特に一日中リキシャを漕いで肉体的に疲労しているときには相当に辛い。でも何とか続けている。
 リアルタイムに「今起きていること」を書くというスタイルは、このリキシャの旅にふさわしいものだと思っている。そして、こうして自分を肉体的にも精神的にもギリギリまで持って行ってやれば、「何か」が見えてくるだろうという予感がある。


【与論島でサトウキビを切って苗を作るおじさん】

 宿のおじさんのご厚意により、チェックアウト時間を過ぎても部屋にいられることになった。鍵は宿を出るときにフロントに置いていってくれればいいよ、と。家庭的で気楽な宿である。
 1時過ぎに宿を出て、雨のなか港に向かう。沖縄行きのフェリーは2時過ぎに出港。2時間半の船旅の後に沖縄本島・本部港に到着。


【与論から沖縄に渡るフェリー。昨日は晴天だったが・・・】

 沖縄は灰色だった。細かい霧雨が降り、椰子の木を揺らす強い北風が休むことなく吹いている。天気が良ければマリンブルーに輝いているだろう海もくすんでいる。せっかくの沖縄。なのにこの天気である。
 でも空を恨んでも仕方がない。なんとか自然と折り合いを付けながら進むのがリキシャ旅なのだ。

 本部港からリキシャで南下を始める。とりあえず那覇まで行く予定だが、今日は名護市までしか進めそうにない。国道449号線は中央分離帯を持つ片側2車線の立派な道路だから走りやすい。交通量を考えると立派すぎるようにも思う。こんな高速道路みたいな道がこんな田舎に必要あるのかしら。

 名護市に入ると雨が強まってきたので、目に付いた建物の軒下で雨宿りをする。立派なコンクリート製の公共施設である。警備員のおじさん曰く、沖縄経済はこのような公共施設や道路の建設で回っているということだ。米軍基地を押しつけられている代わりに、沖縄開発事業の名目で大量の公共工事が国から発注されているのだ。今通ってきた449号線もそういったいささか分不相応な公共事業の結果なのだろう。

「でも基地が増えすぎたんは問題よ。もうこれ以上お金はいらんから、静けさと安全が欲しい。それが沖縄の人の本音よ」と警備員のおじさんは言う。
 公共事業で地元の建設業者が潤うのは確かだけど、それが完成すればおしまいである。狭い沖縄にどこまでも道路を延ばせるはずがない。
 地方の持続的な発展とはどうあるべきなのか。これは沖縄に限ったことではない。奄美諸島でも、四国の山村でも同じような問題を抱えている。
 もちろん結論はすぐには出ない。

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本日の走行距離:18.6km (総計:1113.0km)
本日の「5円タクシー」の収益:0円 (総計:22070円)

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by butterfly-life | 2010-04-05 14:23 | リキシャで日本一周


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