81日目:ボイスに耳を傾ける(京都)
 二日連続で激しい雨が降ったので、京都の実家でのんびりと休息・・・したいところだけど、たまっていた日記を書いたり、写真の整理をしたりしていると、あっという間に時間が経ってしまった。

 お休みのあいだにもいろんな人に会った。京都新聞の論説委員の方に誘われて、イタリアンをご馳走になりながら今回のリキシャの旅について話したり、保育園時代の同級生(というと30年前の話になるわけですが)の弟が世界一周旅行を企画しているので相談に乗ってくれないかと頼まれて一家五人とディスカッションすることになったり、京都で半ニート状態だった僕にライターの仕事をくれた編集者の事務所を5年ぶりに訪ねてみたり。



 編集者の坂本さんに今回の旅で出会った人々やハプニングのいくつかを披露すると、
「日本人にもいろいろな人がいるんですよねえ」
 としみじみ言われた。
「私みたいに毎日狭いオフィスで仕事をしている人間は、どうしても付き合う人が限定されてくるでしょう。旅をすれば世界が広がるのはわかるんだけど、会社のこともあるから長くは休めない。それにもし私が離島なんかに行ったら、のんびりするより前にLAN環境を探して右往左往することになるんじゃないかな」

 そう、日本にもいろんな人が住んでいる。文化的にも言語的にも、僕が考えていた以上に日本人は多様だった。それは都会にいるとほとんど意識することがない。みんな同じようにオフィスでパソコンに向かって仕事をしていると考えがちだけど、実際は全然違うのである。



 京都新聞の論説委員の方には、「三井さんがやっていることは宮本常一に似ていますね」と言われた。日本を代表する民俗学者と同列に語られるなんて身に余る光栄だけれど、もちろん僕は専門的な教育や訓練を受けた人間ではないので民俗学的な視点を持ってはいない。ただ自分の興味の赴くままにその土地の人と話をして写真を撮っているだけである。

 今回の旅でやろうとしているのは、この国に生きる人々の「ボイス」に耳を傾け、それぞれの人生の断片を拾い上げ、それを記録していくことだ。
 それがいったい何になるのかと問われたら返答に困るのだけど、とにかくそれを積み重ねていくことによって、「日本にもいろんな人がいるんだ」と感じる人が一人でも増えてくれれば嬉しい。


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本日の走行距離:13.8km (総計:2701.3km)
本日の「5円タクシー」の収益:560円 (総計:51260円)

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by butterfly-life | 2010-05-31 08:07 | リキシャで日本一周


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