143日目:無事是名馬(石川県小松市→福井県越前市)
 今日も台風の影響で、強い追い風が吹いていた。風のアシストを受けたリキシャは速度を上げて、福井県に向かう。
 久しぶりにすっきりと晴れ渡った気持ちのよい一日だ。
 国道8号線を南下して峠をひとつ越え、石川県から福井県に入る。


【ソバ畑と青空】


【リキシャに乗って大喜びの中学生】

 福井市では元競輪選手のおじさんに出会った。去年引退するまで、福井競輪で31年間現役だったそうだ。肉体を使う競技なのに30年以上も現役を続けられるというのは驚きである。
「レースといっても月に2回か3回だけですから。辞めるまで200勝です。まぁ中級ですよ」
 と謙遜気味におっしゃったが、「無事是名馬」という言葉にあるように、怪我もせずに長く走り続けてきたことこそ素晴らしい。僕もこの5ヶ月いろいろとあったけれど、何とか体を壊さずに走ってきた。

「僕も自転車は好きやけど、こんなの見たのは初めてやなぁ。いや、今日はいいもん見せてもらいました」
 偶然のリキシャとの出会いを素直に喜んでくれた。そんな風に言ってもらえると、はるばる福井までやってきた甲斐がある。


【元競輪選手の今の愛車は意外に小さな自転車だった】


【5円タクシーに乗っていただいたご夫婦。生後2ヶ月の赤ちゃんを連れていた。本当に生まれたてでかわいい】

 福井市を通過して越前市へ。ここに叔父夫婦が住んでいるので、今夜はそこに泊めてもらうことにする。
 叔父の家を訪ねるのは10年以上ぶりのことだが、その当時は「武生市」と呼ばれていた。それが2005年に今立町と合併して「越前市」と名前を変えた。今では住所にも「武生」の文字は出てこない。ややこしいことに、この「越前市」には「越前町」と「南越前町」という町が隣接している。そんなに「越前」を猛プッシュしなくてもいいじゃないかと思ってしまう。

 越前市と同じように、平成の大合併によって日本全国に新しい「市」が数多く誕生した。本来は「町」や「村」であるべき規模の地域が、どれも同じように「市」に統一されてしまったので、はじめて訪れる人間にはその地域の規模が掴みづらくて困ってしまう。とんでもない田舎が「市」を名乗っているのには相当に違和感がある。



 叔父の家は越前市の市街からは離れていて、自然が豊富な場所である。目の前には扇状に広がる田んぼが、背後には切り立った山が迫っている。のどかな田園風景だ。子供の頃、よく夏休みにここに遊びに来たのだが、その当時とまったく変わらない。
 山にはイノシシや猿、鹿などが住んでいて、ときどきエサを求めて集落に降りてくることもあるそうだ。イノシシは近くを流れる小川にいるカニやミミズなどを食べているという。


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本日の走行距離:82.4km (総計:6191.9km)
本日の「5円タクシー」の収益:825円 (総計:72505円)

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by butterfly-life | 2010-09-28 07:53 | リキシャで日本一周


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