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92日目:ユニークな自転車たち(神奈川県平塚市→東京都渋谷区)
 リキシャの旅を1ヶ月半ぶりに再開した。
 育児休養は1ヶ月のつもりだったが、それが一日また一日と延びてしまったのは、我が子と離れるタイミングがなかなか掴めなかったからでもあり、雨天のせいでもあった。せっかく出発しても雨に降り込められたんじゃたまらないなぁと思いながら、ぐずぐずと出発を遅らせていたわけだ。

 梅雨明け宣言が号砲になった。
 ぱりっと晴れ渡った空。強い日差しの元で鮮やかな色彩を帯びた景色。それを見るともうぐずぐずしてはいられないと思った。一刻も早く前に進まねば、という気持ちになったのだ。

 まずリキシャを保管してある平塚まで戻り、そこから渋谷に向かうのが本日のルートだ。60キロほどの道のりだが、しばらくブランクがあったので体力が持つかどうかが心配だった。
 暑さも不安材料だった。梅雨明け後いきなり急上昇した最高気温は32度を超え、雲ひとつない空からは容赦なく紫外線が降り注いでくる。いきなりタフなコンディションでリスタートを切らなければいけなかった。

 今日はいつもの一人旅ではなくて、同行者がいた。東京に住む自転車好きの人たちがリキシャと併走してくれることになったのだ。同行してくれた自転車はどれも個性的なものだった。他ではまず見かけない、という点ではリキシャといい勝負の変わり種自転車が集まった。


【三輪さんの三輪自転車。愛犬プーさんも同乗】

 リーダー格の三輪ノブヨシさんが運転していたのは作業用の三輪自転車である。リキシャと違って前輪が二輪あり、ハンドルの前に大きなラゲッジスペースがある。ここに売り物を乗せて行商したり、商売道具を乗せて移動したりする。これは三輪さんが自分で開発したものである。
 実際に僕もこの三輪自転車に乗ってみたのだが、驚くほど動きがスムーズだった。ギアチェンジもできるし、ハンドリングも滑らかで、地面のでこぼこもうまく吸収してくれる。もちろんリキシャとは比較にならない。電動アシストがないのが難といえば難だが、かなり低速のギアがついているのできつい坂道でも脚力だけで登り切ることができる。部品を中国の工場で作ってもらい、組み立ては三輪さんが自分の工房で行う。ちなみに価格は15万円。これまでに12台が売れたそうだ。
「使ってくれているのは、ワッフル屋さん、カレー屋さん、牛乳屋さん、それにジャズドラマーなんかですね。この三輪自転車で商売をすると、なぜか売り上げが伸びるらしいですよ。一番有効に使っているのが、原宿でビニール傘を売っている黒人。ダレルっていうんだけど、彼はすごいですよ。雨が降ってきたら原宿の駅前に行って、1本400円の傘を売る。それが飛ぶように売れるらしいんですよ。コンサートがあった日なんか、1日に50万売り上げたこともあるらしい。傘売り一本で生活していて、雨が降らない日はひたすらジムで筋トレをやっているんだって。変わってるよね」

 三輪さんの本業はインテリアデザイナー兼立体アーティスト。椅子のデザインをしたり、立体オブジェを作ったりしている。自転車に乗るのが大好きで、海外にも折りたたみ自転車を持って行って乗っていたのだが、アジアで目にする実用的な三輪自転車がすっかり気に入り、自分で作ってしまったのだという。とにかくものを作るのが好きな人なのだ。

 来月には三輪さんが発起人となった自転車のデザイン展「PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN」が東京ミッドタウンで開かれる。自転車を「働く」「遊ぶ」「走る」「食べる」「考える」の5つの動詞から考え、実車と映像を交えて紹介する展覧会だ。
 実は僕もこの展覧会に参加している。リキシャの旅についてのインタビュー映像や、今回の日本縦断の旅で撮った写真のスライドショーも展示される予定だ。バングラデシュ製のリキシャの展示も行われる(もちろん僕のではないけど本物のリキシャだ)。会期は7月29日(木)から8月27日(金)までと長いので、ミッドタウンに行く機会のある方はぜひご覧あれ。



 さて、この三輪さんの三輪自転車よりも目立っていたのが、清田さんが乗っていた「トールバイク」。これは読んで字のごとく背の高い自転車である。人の背丈ほどの位置にサドルがある。アメリカでは結構ポピュラーらしくて、これでアフリカを横断した人までいるそうだ。外見ほど乗りにくくはないようで、コツを掴めば簡単に乗れるそうだ。問題は止まるときと乗るときで、信号がたくさんあるような都会にはあまり向かない乗り物である。ガードレールなど足置きになりそうな場所がうまく見つかれば優雅に休憩することもできるが、見つからなかったら悲劇である。
「こんなに高い位置にサドルがあるのはなぜですか? 何か意味があるんですか?」と訊ねてみると、
「それを聞いたらおしまいですよ」との答え。
 なるほど愚問であった。実用的な意味なんて問う方がおかしいのだ。なんの意味もないからこそ目立つのであり、無駄な苦労をするからこそ面白いのであり、クールなのだ。日本でリキシャに乗るのと同じことである。



 併走してくれたのは変わり種自転車ばかりではなく、普通のロードバイクもいた。クソ重いリキシャとは正反対の、カーボン製の超軽量バイクだ。それに乗っている北沢さんの仕事はメッセンジャーである。依頼された書類を自転車で迅速に運ぶ仕事だ。自転車なら渋滞知らずだから、オフィス間の書類のやりとりに重宝されている。
「都心部の道だったら全部頭の中に入っていますね。地図を見ることはほとんどありません。ナビもいりません。自転車に乗るのが仕事になるなんていいなぁと思って応募したのがきっかけです。5年前はメッセンジャーバブルとも言われるほど仕事がたくさんあったんですけど、今は暇になりましたね。正直厳しいです」
 仕事が少なくなったのは不況の影響でもあるし、インターネット決済が当たり前になって書類を回す必要がなくなったことも大きい。今ではメッセンジャーだけで食べていくのは難しくなり、夜もバイトをしなければいけない。

 自転車に乗ること自体を仕事にしているリキシャ引きのような人は、日本ではとても少ない。ぱっと頭に浮かぶのはメッセンジャーと競輪選手ぐらいである。もしかしたら他にもいるかもしれないが、すぐには思い浮かばない。実は今日、途中から合流した富田さんは29年間も現役を続けた元競輪選手だった。メッセンジャーと競輪選手の揃い踏み。すごい。
 富田さんが現役を引退したはわずか1ヶ月前のこと。競輪選手というのは意外に選手寿命が長いようだ。もちろん富田さんの太ももは筋肉でぱんぱんだった。アスリートのそれだ。
「太ももが一番太かったのは学生の時。62センチはあったかなぁ。でも太ももというのは一度太くなって、そこからさらにトレーニングをすると締まって細くなってくるんです。よく女の子が自転車に乗り始めると、足が太くなったと言ってやめちゃうんだけど、あれはもったいない。そのまま乗り続けたら細くなるんですよ」
 富田さんが乗っていたのは、70年前の医者が往診に使っていたという古い自転車。それをどこかから手に入れ、使える部品と新しく追加したパーツを組み合わせて蘇らせたのだ。クラシックカーマニアというのは良く知られた存在だが、クラシック自転車マニアというのもいるようだ。


【二子玉川では野外バーベキューまっさかりだった。あまりの暑さにみんな裸】

 以上のようなユニークな自転車たちに囲まれて走る旅は、賑やかで楽しかった。日差しは強く、すぐに汗だくになり、腕には塩の結晶が浮き出てくるほどだったが、なんとか日暮れまでに渋谷にたどり着くことができた。
 東京は意外に坂が多く、リキシャではとても上れないような急角度の坂もあったのだが、三輪さんたちが後ろから押してくれたおかげで(ちょっと反則?)難局を乗り切れたことも書き添えておかなければならない。感謝。


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本日の走行距離:58.8km (総計:3306.3km)
本日の「5円タクシー」の収益:0円 (総計:55610円)

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by butterfly-life | 2010-07-19 00:20 | リキシャで日本一周
出会いを繋げていくこと
 先日、東京にお住まいの中原さんからメールをいただいた。この旅をはじめたばかりの頃、徳島県で出会ったトラック運転手の親方の息子さんからだった。ご本人の了解を得られたので、ここで紹介したい。




私は3月に三井さんが徳島で遭遇し、ブログにインタビューしていただいたダンプ運転手"親方"(中原公夫)の息子です。
四国放送でオンエアされた映像共々拝見しました。(インタビューで「子供3人を大学に通わせたのが自慢」を読んで不覚にも涙してしまいました。)
その父も、先月末についに引退しました。
急に「もうやめるけん」と電話がありその翌日には10年乗ったダンプを手放しました。
私は現在東京(稲城市)に住んでるので父の決断の場面には居合わすことは出来せんでしたが、本人の決断したことですから異論はありません。
三井さんのブログに載った父の生き生きとした写真は普段見ることのない顔でした。大切な記念にさせていただきたいとおもいます。
(ブログの写真、皆さんの顔が本当にすばらしいです。)

この先まだまだ大変でしょうが。体に気をつけて初志を全うください。
またたくさんの笑顔の写真をブログで見させてください。
応援しています。



 普段見ることのない顔が写っていた。そう言われたことがとても嬉しかった。
 この旅をはじめる前、「日本人の笑顔が撮れるんだろうか?」と少し不安に思っていた。もちろん日本人だってネパール人だってバングラデシュ人だって同じ人間なのだから笑いもするし泣きもする。けれども初対面の旅人に対して笑顔を向けてくれるものなのかどうか、確信が持てなかったのだ。

 日本人もとてもいい笑顔で笑う。
 それをはっきりと信じることができたのは、このトラック運転手のおっちゃんたちや、大根をくれた島津おばあちゃんなど、徳島県で出会った温かい人たちのおかげだと思う。いいスタートが切れたから、そのあとの旅もスムーズに進んだ。



 運転手仲間と一緒にいるときの中原さんはとても充実した顔をしていた。僕はたまたまそこに居合わせて、それを写真に写し取ることができた。幸運だったと思う。ご縁があったのだと思う。
 そのご縁を繋げることが、きっと何かに結びつく。そう思って3ヶ月間リキシャを漕ぎ続けてきた。

 これからも様々な出会いが待っているだろう。
 それを繋げることで見えてくる景色が楽しみだ。

 さぁ後半戦を始めよう。
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by butterfly-life | 2010-07-16 16:01 | リキシャで日本一周
育児について
 リキシャの旅を中断して1ヶ月。仕事でネパールに行った以外、ほとんどの時間を妻と娘と一緒に過ごしていた。都心に出ることも滅多になく、トレーニングのために自転車に乗る以外はほぼ八王子の自宅にいた。



 僕がリキシャの旅をお休みして育児を手伝うと言ったとき、何人かの方が「イクメンですね」という反応を返してくれた。
 育児する男。略してイクメン。でもメディアが想定するイクメンと僕の育児の実体とはずいぶんかけ離れたものだと思う。テレビ番組で紹介されている「今はやりのイクメン」とは、一流企業のサラリーマンでありながら育児と仕事を両立させるために効率的に仕事をこなし、残業をせずに退社して保育園に子供を迎えに行き、料理も家事もそつなくこなすという人物だった。仕事もできる良き父親。ポイントは両立である。

 それに対して僕がこの1ヶ月間していたのは、ただ家族と一緒にいることだった。イクメンならぬ、イルメン。
 もちろん食事を作ったり買い物に行ったりといった家事のサポート役はこなしたけれど、肝心の赤ん坊の世話となるとまるで勝手がわからず、まったくの役立たずだった。特に育休を始めたばかりの頃は、娘の方も僕のことを「素性のわからない人」とみなしているようで(2ヶ月も会ってないんだから当然だけど)、それまでおとなしくしていたのに僕に抱かれた途端に火が付いたように泣き出すということもしょっちゅうあった。まず「におい」を覚えてもらうところから始めなければいけなかったのだ。

 新生児の世話は本当に大変だ。特に生後2ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんは、人間というよりも未知のエイリアンに近い。理由もなく突然泣き出すし、理由もなく突然泣き止む。基本的に理不尽な存在だ。どうやったら泣き止ませることができるのか、いろいろ試してみた挙げ句、縦抱きで上下に揺らせば泣き止みそうだとわかると、ひたすらスクワットを続けてみる。しかしその方法が次の日も通用するとは限らないのだ。赤ちゃんの行動パターンは日々変化していて、正解も毎日ころころと変わるのである。

 赤ちゃんという理不尽な生きものにようやく慣れてきたのは、育休に入って2週間ほど経った頃だった。ぐずったときのあやし方や、おむつの替え方や、おしゃぶりのくわえさせ方のコツがやっとこさ掴めてきたのだ。赤ちゃんにとってなにが快でなにが不快なのか、そのとっかかりのようなものがわかってきた。
 娘の方も日々成長を続けていた。お乳や排泄といった生理的な欲求だけでなく、周囲の環境やこちらの呼びかけに対してリアクションを返すようになってきた。未知のエイリアンだったものが、意志らしきものを通じ合わせることのできるヒトへと変化してきたのだ。彼女が感じているらしい不安や、喜びや、驚きが僕にもなんとなく理解できるようになった。



 娘が口を大きく開けて笑っただけで、僕らは幸せな気持ちになることができた。「アー」とか「ウー」とかまだ言葉にならない声を発しただけで歓喜した。絶妙のタイミングでオナラをしただけで腹を抱えて笑い、この世の終わりかと思うぐらいに泣き叫んだあとやっと眠りについてくれたときには深い安堵のため息をついた。その小さな小さな手が僕の人差し指をしっかりと握りしめたときには、手を叩いて褒めたたえた。

 ベビーカーを押して近くのホームセンターに行くだけで、ちょっとした冒険だった。近所の人がお愛想で「まぁかわいらしい赤ちゃんね」と言ってくれると、「やっぱりうちの子はかわいいんだね」なんて確信犯的な親バカトークを交わした。生活のリズムは体重6キロにも満たない小さな暴君のご機嫌に完全に左右されるようになったが、それはそれでとても愉快な日々だった。



 僕はきっと優秀なイクメンにはなれないだろう。仕事とプライベートとをきっちりと仕分けしたり、家事の分担を明確にしてテキパキと雑務をこなしたりするのは、あまり得意な方ではないからだ。
 そもそも旅を生業としている人間に、世間的に「まとも」な育児か可能なのかよくわからない。家にいるときは四六時中家にいて、いないときには何ヶ月もいない。そういう男が「良き父親」となれるのだろうか。なれるかもしれない。なれないかもしれない。それはたぶん誰にもわからない。

 けれどこの1ヶ月の育休で得たものは、決して小さくはなかった。子育てがいかに大変なものなのかを間近で感じられただけでも、「理不尽な生きもの」が「人らしきもの」に変わっていく様をしっかりと見届けられただけでも、旅を休んだ価値はあった。

 分かち合うべきものを、分かち合うことができる。それが家族なのだと思う。
 この1ヶ月を通して、僕らは本当の家族になった。




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by butterfly-life | 2010-07-12 21:33 | リキシャで日本一周
バングラデシュの雑誌に紹介されました
 先日、バングラデシュ人の雑誌記者からメールで取材を受けました。
 その記事がバングラデシュの代表的な週刊誌「シャプタヒック」に載っているそうです。ぜひご覧ください・・・と言っても全文ベンガル語なので、読める方はほとんどいないと思います。もちろん僕もさっぱりわかりません。というわけで、ショブジョ バングラの三田さんに翻訳していただきました。
 バングラ人にとっても、リキシャで旅をしている外国人の存在は大いなる謎であり、関心を惹く対象のようですね。


■ バングラデシュのリキシャで日本縦断(日本語訳)

東京発 カジ インサン

日本の慈善団体関係者からある情報を得た。
日本のフリーランスカメラマンが、バングラデシュのリキシャを自らこいで、沖縄から北海道まで、6か月かけて日本縦断の長旅に出ているという。
これまですでに3カ月旅を続け、あと何日かで東京に到着する予定だという。その後は北海道に向けて出発し、北海道の最北の地までペダルをこいでこの旅の終わりを迎えることになる。

この前代未聞の旅行の話を聞いて、私たちは彼とEメールで連絡を取り、インタビューの段取りをした。

三井 昌志 35歳 京都府出身
神戸大学工学部を卒業し、ある機械メーカーに就職した。
2001年、外国への長旅に出かけ、カメラマンとしての可能性に目覚めた。帰国後、それまでの会社勤めを辞めて、トラベルフォトグラファーとして、新しい道に踏み出した。
会社員という収入の安定した生活から、不安定なカメラマンとなり、苦労も多かったが、決心と、写真への情熱は揺らぐことはなかった。

彼は、世界の40カ国、特にアジアのすべての国をまわって写真を撮り続けた。その膨大な数の写真から、日本で数多くの写真展を開き発表した。写真集も何冊か出版した。
日本メディアの最大手、NHKが、彼の写真やレポートを何度も採用するようになった。

バングラデシュにも何度か訪れ、多くの写真を撮影した。
彼の写真のテーマは『笑顔』。
彼の作品の1枚、1枚に笑顔があふれている。
肉体労働者の汗まみれで開けっぴろげな笑顔、子供たちの親しみに満ちた笑顔、若妻のつつましい笑顔。
彼は人間の心の奥底から湧き出るような笑顔を撮りたいという。

バングラデシュのリキシャは、彼にとって、非常に魅力的なものだった。最初にバングラデシュを訪れた時から、ペダルを漕いで車輪を回す単純なバングラデシュのリキシャに魅せられた。バングラデシュに来れば、当然、その主な交通手段はリキシャになる。
『リキシャ』語源は日本語である。
この『人力車』はその昔、日本からやってきた。
そんなノスタルジックな思いも相まって彼はリキシャに魅せられたのだろう。

バングラデシュのリキシャドライバーは、ひたすら2本の足でペダルを漕いで、ささやかな稼ぎで家族を支える。先進化の競争の中で、環境へのやさしさが問われている今、地球の温暖化を進めることなく、機会社会で汚れた水や空気を還元出来る、自然と調和した乗り物だろう。

彼は言う。
『リキシャ自体魅力的だが、その色づかいが本当に美しい。リキシャを漕ぐのも楽しい。
ダッカでリキシャを購入し、帰国の際に日本に送った。どこに行っても、リキシャを見てみんな集まって来るし、漕ぎたがる。
そして、ふと思いついた。
バングラデシュのリキシャで日本中を旅したらどんなものだろう?

この3カ月、毎日60~100キロの道のりを走り続けた。
沖縄から出発して、村から村、街から街へあちこちまわった。
みんなは、好奇心いっぱいで見ていた。
同時に、バングラデシュについて、少しづつ知っていった。
そんなことが、今、私の住む東京で起きている。

途中、子供が生まれて父親になったので、1か月の休みをとり、子供と共に過ごすことにした。そして、また、出かけて行く。

この先、思いがけない壁が立ちはだかるかもしれない。
行く先々ですべての人が興味を持って見るだろう。
皆さんからメールもいただく。
みんな私の行き先を知り、楽しみに待っていてくれる。
私も出来る限り返信している。

バングラデシュ人も、恐る恐る客となって乗った。
そして、色々な形で歓迎してくれた。
彼らに心から感謝したい。

日本中の道で、バングラデシュのリキシャと同時に、バングラデシュという国も紹介している。また、それが自分にとっても楽しみになっている。』
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by butterfly-life | 2010-07-08 14:09 | リキシャでバングラ一周
ネパール撮影
 先週は久しぶりにネパールを訪れていました。
 ある企業が支援しているユニセフとNGOの活動を撮影するためです。
 首都カトマンズから活動拠点のあるルンビニへ。仏陀が生まれた土地として世界遺産にも指定されているルンビニを基点に、タライ平原の農村にある学校や村を訪ねました。

 ユニセフはネパールの農村地帯でトイレの設置を進めています。ネパールやインドでは今でもトイレのない村が珍しくありません。僕らが行った地域でも、トイレを設置している家屋は40%以下だとか。戸外排出(要するに野グソってことですが)をすると、雨季で川が氾濫したときなどにコレラなどの感染症が蔓延する原因にもなるのです。
 しかし長年「トイレなし」で生活していた住民たちに、いきなりトイレを作りなさいと言ってもなかなか聞いてはもらえない。設置にはお金もかかるし、慣れ親しんだ生活習慣はすぐには変わらないからです。だからトイレを提供して「はいサヨウナラ」というのではなくて、トイレ設置の重要性を理解してもらった上で住民にトイレ設置の意欲を積極的に持ってもらおうというのがこの活動の肝なのです。

 容赦ない直射日光と暑さには、相当へばりました。一年のうちでもっとも暑い時期だったので、日によっては40度近くまで気温が上がります。しかも雨季などで湿度もかなりのもの。
 その代わり(と言っては何だけど)マンゴーシーズン真っ盛りで、採れたての完熟マンゴーを毎日食べることができました。いやー、これに勝る幸せはない。しかも激安。1キロ70円とかそういうレベルです。


【暑い日中に木陰で昼寝をする女性】


 今回は仕事での撮影だったので、いつものように自由気ままに動き回る旅とは違っていました。場所も条件も限定された中での撮影です。しかしそんな中でも何人もの魅力的な被写体に出会うことができました。
 ネパールは僕にとって特別な国です。子供たちの目の輝きが他の国とは違うのです。瞳に力があるんですね。好奇心の強さや生命力が、瞳の輝きに反映されている。だから撮り飽きるということがありません。
 ここで写真を紹介できないのはちょっと残念ですが、このプロジェクトのサイトが完成したらお知らせしたいと思います。

 そうそう、ワールドカップの日本対パラグアイ戦はルンビニのホテルで観戦しました。ネパールでもワールドカップ期間中はサッカー熱が盛り上がっているらしく(ナショナルチームは「超」がつくぐらい弱いのだけど)、国営放送で生中継されていたのです。
 しかしテレビ観戦はかなりの困難を伴うものでした。ネパールでは現在電力需要が逼迫していて、たびたび送電がストップしていたのです。今年はモンスーンの訪れが例年より遅く、水力発電に使用する水が不足しているようなのです。だから一日に何度も停電する。一応、ホテルには自家発電機が備えてあるのだけど、停電中は「ザー」という砂嵐しか写らなくなってしまいます。でもどういうわけか目を細めてその砂嵐を見ると、試合の様子が「なんとなく」わかるのです。どちらフィールドで試合が展開されているのか、寄りの絵なのか引きの絵なのかはわかる。だから撮影スタッフみんなで「いま日本が攻められているね」とか「フリーキックだよ、これは」とか言いながら、見えない部分を想像力で補いつつ観戦していたのでした。これはこれで楽しかった。試合結果は残念だったけれど。
 スタッフの女性陣に一番人気だったのはゴールキーパーの川島君。今風の若者っぽくなく闘志を前面に出すタイプのファイターが、女性たちの心をわしづかみしたようです。確かにスポーツマンはクールすぎても面白くないですもんね。
 




【ネパールでも南部のタライ平原ではリキシャがたくさん走っています。バングラみたいにド派手ではないけれど。あるリキシャ引きに「オレもリキシャを持っているんだよ」と言ったら、ふんと鼻で笑われただけだったけど。ま、信じないよね】
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by butterfly-life | 2010-07-07 17:33 | リキシャで日本一周
リキシャのインタビュー動画
久しぶりの更新です。
今回は大阪のプロカメラマン宮田昌彦さんに撮っていただいた高画質の動画が届いたので、ご紹介します。



僕が使っているのと同じキヤノンの5D-mark2によるHD動画ですが、かっこよく編集されているので、さながらリキシャのPVを見ているようです。
ぜひYouTubeでご覧くださいね。
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by butterfly-life | 2010-07-06 21:41 | リキシャで日本一周