「日本のはたらきもの」を撮る
 「リキシャで日本縦断する」と宣言してから1ヶ月。
 多くの方から応援メッセージをいただいています。本当にありがとう。
 北海道で酪農をしている方や、静岡で無農薬のお茶を作っている方、徳島県のパン屋さんなどなど、日本各地の「はたらきもの」たちからも応援メールが届きました。

 新しい写真集「この星のはたらきもの」はアジア各地で汗を流して働く人々を捉えた本ですが、今回の「リキシャの旅」では日本各地にいるであろう多くの「日本のはたらきもの」の姿を写真に収めたいと考えています。
 ですから、「ユニークな仕事人」「地元に密着したはたらきもの」にぜひお会いしたいのです。我こそは、という方はぜひ三井までご連絡ください。えっちらおっちらリキシャを漕いで、参上します。

 今回の旅では、「目的を絞った旅」と「偶然の出会い」とを上手く組み合わせていこうと考えています。
 リキシャで日本を縦断するというのが、おおもとの目的。
 日本のはたらきものを撮る、というのも目的のひとつです。
 それから、日本各地を走っている「ベロタクシー」にも会いたい。ベロタクシーとは要するに「オシャレなリキシャ」のこと。広告を収入のベースにしているスローな自転車タクシーで、日本各地の都市部を走っているそうです。僕も以前京都で見かけたことがあります。日本縦断の道すがら、このベロタクシーと競走(共演?)したいなぁなんて思っています。

 最初から目的を決めて旅したことは、これまで一度もありませんでした。
 だいたいがいい加減な性分なので、行き先はその国に着いてから地図を広げて決めるという有様。事前になにを撮るのかもまったく決めていなかったのです。

 撮りたいものは、旅を続けていれば自然にわかってくる。美しいもの、心ひかれるものがどこにあるのかが、次第に見えてくる。それに対してただ素直に反応する。そういう旅のやり方を続けてきたのです。

 アジアの田舎を旅するようになったのは、そのような「素直な反応」の結果でした。
 僕は大都会というものがどうにも苦手で、バンコクでもデリーでもマニラでも上海でもどこでもいいのですが、アジアの大都市に行くと途端に写真を撮る気持ちがしぼんでしまう。さっさと用事を済ませて、ホテルに引きこもってしまうのです。

 それが田舎に行くとまったく違ってくる。一気にテンションが上がるのです。
 熱帯雨林の中をバイクで突っ走ったり、田んぼのぬかるみを歩いたり、漁村のおっちゃんたちと酒を酌み交わしたり。そうするうちに自分が大地の中に解放されて、この世界をかたちづくるさまざまな色彩を感じることができるようになる。自分とその土地との距離がすごく近くなるのです。

 子供の笑顔、美少女のたたずまい、働く人の姿。
 これまでの写真集のテーマは、すべてそうやって気ままに旅する中で見つけてきたものです。
 だから僕は一応「写真家」を名乗ってはいるのだけど、写真家として「写真術」を磨いてきたというよりは、「よりよい旅の方法」を模索してきた旅人である、という方が近いのだと思います。

 さっきも書いたように、今回の「リキシャで日本縦断」では「目的を絞った旅」と「偶然の出会い」とを上手く組み合わせようと考えています。
 今までのような偶然性だけに頼った旅は、バイクという軽快な乗り物でアジアを旅するときにはとても効果的だったけれど、リキシャというかなりヘビーな乗り物で日本を旅しようとした場合にはうまく行かないかもしれない。そう予想しているからです。


霧深いバングラの朝をリキシャが走り抜けていく。


ターバンを巻いたリキシャ引き


リキシャ引きの父親が子供を堤防の上に立たせている。
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by butterfly-life | 2009-12-04 20:42 | リキシャでバングラ一周


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