ボグラからシラジゴンジという町にやってきました。
およそ70kmの道のりでしたが、風が後ろから吹いていて「風力アシスト」状態だったので、いつもより疲労せずに済みました。風向きはリキシャの走行においてとても重要なのです。 シラジゴンジの町を歩いていると、後ろから「ヘイ、マサーシ!」と呼びかけられました。どうも僕の名前を呼んでいるらしい。 どうして初めての町で自分の名前を知っている奴がおるんだ。怪訝に思いながら振り返ると、そのおじさんは「あんた、マサーシだな?」と満面の笑みで手招きするのです。あぁ、いかにも私はマサーシでありますよ。 「この新聞を見ろ」 とおじさんはモノクロ印刷の安っぽい新聞を広げて僕に見せます。 「これはあんただよな? え、そうだよな?」 おお、確かに! そこには僕がリキシャに乗っている写真があったのです。 そういえば昨日、ボグラの町でカメラを向けられていたのでした。他のバングラ人のように携帯の写メじゃなくって、ちゃんとした一眼レフデジカメを。ニコンD70。バングラデシュでこういうカメラを持っているのはたいていプロです。自分で写真館を開いているか、結婚式やお祭りを撮る出張カメラマンか、新聞記者かのいずれか。 その男は地元紙の記者をしているのだと言いました。たまたまバイクで通りかかったところ、リキシャを漕いでいる妙な外国人を目にしたので、「これは面白い記事になるわい」と思ったらしいのです。 彼は二つ三つ英語で質問をして、足早に去っていきました。何か約束があって急いでいる様子。だからほんとに記事になるのか疑っていたのだけど、こうしてちゃんと自分の顔が印刷された新聞が他の町のおじさんの手に渡っているのを見ると、地元メディアの力もなかなか侮れないなぁと感心してしまうのです。 バングラデシュには専業の新聞記者として生活している人はほとんどいなくて、面白い記事があったら寄稿するパートタイム記者が多いようです。半分はボランティアみたいなものなのでしょう。 僕はベンガル語がさっぱり読めないので、ここに何が書かれているのかわかりません。もしベンガル語が読める方がいれば、ぜひ訳してください。 ![]() 【「The Daily Juger Katha」という日刊紙。僕を呼び止めたおじさんからもらいました。印刷の質はずいぶん悪くて写真も不鮮明だけど、構図は悪くないですね】
by butterfly-life
| 2010-01-05 19:34
| リキシャでバングラ一周
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■ 新しいブログへ ■ 三井昌志プロフィール 写真家。1974年京都市生まれ。東京都在住。 機械メーカーで働いた後、2000年12月から10ヶ月に渡ってユーラシア大陸一周の旅に出る。 帰国後ホームページ「たびそら」を立ち上げ、大きな反響を得る。以降、アジアを中心に旅を続けながら、人々のありのままの表情を写真に撮り続けている。 出版した著作は8冊。旅した国は39ヶ国。 ■ 三井昌志の著作 ![]() 「渋イケメンの国」 本物の男がここにいる。アジアに生きる渋くてカッコいい男たちを集めた異色の写真集です。 (2015/12 雷鳥社) カテゴリ
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