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究極のダイエット法を教えます
 裸足にサンダル履き、薄手のウィンドブレーカーにこれまた薄い綿パンツという格好で、東京に戻ってきた。

 もちろん寒かった。何でも今年の日本の冬は予想外に寒いんだとか。鹿児島で雪が降ったという映像をニュースを見た。
 僕のようにおちゃらけた服装で電車に乗っている人は誰一人いなかった。当たり前である。でもまぁ、成田空港から八王子まで屋外に出る必要はほとんどないし、電車の座席の足下からは暖気が出ているので寒さに震えるようなことはなかった。

 1月の東京がしばしば氷点下を記録するってことは情報としては知っていたんだけど、寒さの質をイメージすることはできなかった。手先の感覚がなくなるとか、耳が痛くなるとか。
 考えてみれば、1月に日本にいるのは6年ぶりのことである。日本の冬を避けて南国へと渡る「渡り鳥的生活」をずっと続けてきたからだ。1月にどこにいたのかを列挙してみる。2005年1月はスリランカ、2006年1月はインドネシア、2007年1月は南インド、2008年1月は東ティモール、2009年1月はバングラデシュという具合である。赤道付近にいることがわかりますね。
 今年はその報いをたっぷりと受けることになるであろう。いやはや。

 自宅に戻ってまず最初にやったことは体重測定だった。
 出発前は68.5kgだったのが、63.8kgになっていた。
 わずか1ヶ月半で5キロ近くの減量。これはすごい。

 バングラデシュでリキシャを漕いでいるときから、日に日に痩せている実感はあった。リキシャの重いペダルを毎日7,8時間も漕ぎ続けて大量のカロリーを消費しながら、しかも素食な毎日を過ごしていたわけだから。
 30歳を超えたあたりから徐々につき始めたおなか周りの脂肪も大幅にそぎ落とされた。うちの体重計は体脂肪も計れるのだが、それによると16.2%から12.4%とこれまたかなり劇的に減っている。

 ダイエット本が書けそうだ。
「1ヶ月で5キロ痩せる! リキシャ・ダイエット」なんて。
 誰もやらないか。

 ダイエットに必要なのは「ややきつめの有酸素運動を長時間続けること」だそうで、リキシャというのは見事にそれに適している。もちろんリキシャ引きに太った人間はいない。
 「痩せたければリキシャを引け」というのは100万人のリキシャ引きが証明している真実なわけだけど、多くの人が求めているのは手軽にできるダイエット法だから、「1日7時間リキシャを漕ぎましょう」と言われても一笑に付されるだけである。
 さぁみなさんもお試しください、とは決して言えないのが「リキシャ・ダイエット」の欠点である。汎用性に欠ける真実。

 それはともかく、来月から始める日本縦断の旅はこれまでの1ヶ月よりももっと長く、もっとハードなものになるはずなので、「ダイエット成功、イエィ!」なんて言ってる場合ではなく、体重維持、体力維持を念頭に置かなければいけない。
 これからはリキシャを漕ぎながらいかに「太れるか」が問題になってくるはずだ。


【写真:ハードな肉体労働によって無駄のない体を作り上げているのはリキシャ引きだけではない。畑を耕す農夫も実に引き締まった体をしている】
by butterfly-life | 2010-01-15 11:26 | リキシャでバングラ一周


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