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93日目:休日の東京(東京都渋谷区→台東区)
 水をいくら飲んでも喉が渇く。猛暑日の東京はそんな一日だった。
 本日は代々木公園から表参道、広尾、六本木、東京タワー、皇居、丸の内、上野などを回って台東区に向かった。東京らしい東京、関東に住んでいない人でも何度か耳にしたことのある場所を走ったのは、取材のためだった。いつもは撮る側だが、今日は撮られる側に回ったのである。


【屋外の温度計は35度を記録!】

 午前中は、昨日も同行した三輪さんがプロデュースする企画展「PACIFIC PEDAL LIFE DESIGN」のためのビデオ撮り。「あなたにとってリキシャとは何か」とか、「日本とアジアとの違いは何か」といった簡単には答えられない難しい質問もされた。
 カメラを向けられた中で、自分の考えや気持ちをとっさに表現するのは難しい。タレントが生放送中にろくでもない間違いをしでかしたときに、僕らは画面に向かって「なに馬鹿なことを言ってるんだ」なんて突っ込んだりするわけだが、いざ自分がやってみると案外難しいことがわかる。本当に言いたいことの何分の一も言えていないんじゃないかという不充足感、残尿感のようなものが必ず残ることになる。
 このブログに書いている文章は、書き出しと推敲と削除を繰り返すことで、ある程度納得できるアウトプットに仕上げることができるが、一発撮りのインタビューというのはもろに反射神経を問われてしまうからおそろしい。


【東京ミッドタウンの前で】

 インタビュー後、六本木にある東京ミッドタウンにお邪魔した。今回の企画展の会場となるのは、財団法人日本産業デザイン振興会のギャラリースペースだ。「日本産業デザイン振興会」というのはあのグッドデザイン大賞を選定する団体であるから、もちろんそこは洗練された空間だった。会場を訪れるのはデザインに興味のある若者や外国人。こんなところに僕の写真が展示されというのもちょっと妙な気はするが、逆に楽しみでもある。



 午後からはNHKの取材。朝11時からやっている「こんにちは いっと6けん」という関東ローカルの番組でリキシャを取り上げたいとのこと。(放送されるのは8月6日の予定)
 東京タワーをバックに桜田通りをリキシャが走る。「ザ・東京」というロケーション。はとバスに乗ったおばさんたちがリキシャを物珍しそうに見下ろす。中国人の団体旅行者も指をさして笑っている。



 三連休最終日の都心は閑散としていた。もちろん商業地域に行けばまた違ったのだろうが、今日走ったのはオフィス街ばかりだったので、道路はどこもがらがらで、道行く人もまばらだった。働くところと住むところと消費するところがはっきりと分かれているのが東京という街で、それは曜日や時間帯によって街の相貌が全く違うものになるということを意味している。

 東京の道路は道幅が広くとってあり、起伏の激しさを別にすれば自転車で走りやすい街だと思う。それでも通勤や通学に自転車を使う人はごく少数にとどまっているのは、公共交通機関があまりにも高度に発達しているせいだろう。
 どこでも短時間でスムーズに移動できるのはけっこうなことだけど、自転車のように自由に気ままに移動できる乗り物の良さが忘れられているのはもったいない。とはいえ警察官が各交差点に立ってちょっとしたルール違反も見逃すまいと目を光らせているような管理都市には、自転車という乗り物は不向きなのかなぁとも思う。


【丸の内のビルの前で。ザ東京である】

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本日の走行距離:26.7km (総計:3332.9km)
本日の「5円タクシー」の収益:1520円 (総計:57130円)

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by butterfly-life | 2010-07-19 22:05 | リキシャで日本一周


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