写真展二日目の朝に現れた男性は、いきなり「足を触ってもいいですか?」と言って、僕のふくらはぎをもみもみしてきた。もちろん痴漢ではない。女性だったら大問題だが、幸いにして僕は男である。
「これがリキシャを4ヶ月漕いできた足ですか」 その方は感心したように言うのだった。確かにこの4ヶ月で、僕のふくらはぎは太くなった。筋繊維が発達し、子持ちシシャモのようにふくれている。触りたくなるのもわからなくもないけど・・・ちょっとびっくりしますよね。 「見世物学会評議委員」という奇妙な肩書きを持つ栗原さんが現れたのは夕方。 見世物学会とは衰退の危機にある見世物小屋やオートバイサーカスなどを研究し、保護していきましょうという団体らしい。 栗原さんが僕の写真に興味持ったきっかけは、インドの移動式遊園地の動画を見たからだった。そこに写っているオートバイサーカス(円筒状の壁をバイクがぐるぐると回るという見世物)に感激したのだという。実はこの円筒型オートバイサーカスは日本では絶滅の危機に瀕しており、唯一青森に残っているだけだという。 インドの移動式遊園地を見たとき、「なんてアジア的な空間なのだろう」と思った記憶がある。チープで、支離滅裂で、懐かしい。耳をつんざく大音量の中、エンドレスにだらだらと続く祝祭。回り続けるバイクと、踊り続けるヘビ女。 栗原さんはインド未体験だが、ぜひ自分の目で移動遊園地を見てみたいという。 写真展終了後は千駄ヶ谷で行われていたU-streamの放送に参加。ネットを使ったリアルタイムのテレビ放送だ。メディアクリエーターの佐々木博さんに誘われて、まったく事情がわからないままのこのこ出かけていって、そのまま30分ぐらい生放送でお話しした。(生放送は28日午後も12時間ぶっ続けで続くそうです) 佐々木さんは常にネットメディアの先端にいる人で、張り巡らせたアンテナの感度は高く、そのアイデアはいつも刺激的で面白い。電子出版の先にあるもの、未来のカメラについて、ソーシャルメディアとクリエーターとの幸せな共存について。そんな興味深い話を聞かせていただいた。 【放送はこんな感じで行われていました。マイクを持つのが佐々木さん】
by butterfly-life
| 2010-08-28 08:44
| リキシャで日本一周
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■ 新しいブログへ ■ 三井昌志プロフィール 写真家。1974年京都市生まれ。東京都在住。 機械メーカーで働いた後、2000年12月から10ヶ月に渡ってユーラシア大陸一周の旅に出る。 帰国後ホームページ「たびそら」を立ち上げ、大きな反響を得る。以降、アジアを中心に旅を続けながら、人々のありのままの表情を写真に撮り続けている。 出版した著作は8冊。旅した国は39ヶ国。 ■ 三井昌志の著作 「渋イケメンの国」 本物の男がここにいる。アジアに生きる渋くてカッコいい男たちを集めた異色の写真集です。 (2015/12 雷鳥社) カテゴリ
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